VOL.114 / 2023.03.12
ついに来た!お肌の曲がり角
ブランドディレクターの生き方指南書
よわい60も過ぎ、身体の衰えをそこここに感じるお年頃。
そうは言っても、すこぶる健康で、大きな病気もほぼしたことがなく、今日まで元気に生きてこられたのは本当に自慢です。
同じ年齢の女性たちと比べて、肌が強いのか、シミも、しわも多い方ではなく(別名面の皮が厚いとも呼ばれています)髪の毛は相変わらず多すぎて困っており、歩くのも早く、減ったとはいえ、お酒も毎日、昼となく夜となく飲む毎日。
そんな健康優良マダムの私にも遂に来ました、お肌の曲がり角。
先日、朝起きて(ファストファッションの)ブラキャミソールをつけて、ふつうに洋服を着て歯磨きをしていたら、どうも右手の付け根あたりが痛くて、何かささっているのかと思って見てみても何にもない。気のせいかしら…と思ってご飯を食べ始めたらやはり、刺すような痛みが。
やっと気が付きました。これがお肌が敏感な方が被る、チクチク痛みであることを。
そうです。痒いというより、痛いのです。よく、お客様のお話の中でも肌着の縫い目があたって痛い、というのはお聞きすることだったのですが、自分が健康優良肌であったため、実感としてよくわからなかったのですが、なるほど、こんなに気になって、実際痛いものだとは思いもよりませんでした。
私の場合、なぜか右腕の付け根の柔らかい所だけなのですが、そこにブラキャミのストラップの縫い目があたり、どうにも痛痒くて、気になって仕方ありません。
さいわい、ドレスハーセルフのブラトップにあわてて着替えたところ、痛みは消えましたから縫い目だけの問題ではなく、この恐ろしく乾燥した冬の東京で肌が弱っていたのでしょうね。
正直言って、当社の製品の特長であるシルク本体のお肌に湿度を与える性質もさることながら、縫い目にも細心の注意と手間をかけて作られているその緻密な神経の使い方は70年以上の歴史の中でお客様の声を拾い上げながら成長してきた当社ならではのものであると自負しております。
特に気になる縫い代の始末は、生地の端が肌に触れにくいように少しでもやわらかい糸を使い、くるむように細かく始末しています。
それでも、やはり人から聞いている話と自分が実感するのではその感動が全然違います。これは、「人類を救う」級の事柄である!と一人悦に入ってしまいました。
今は何ともない敏感肌とは無縁のあなたもいつか、私の様になる日が来るやもしれません。それは花粉症の様に、予告もなく、ある日突然やって来るのです。
その時に備えて、全身に保湿ミルクと、シルクのお洋服のご用意を。
ブランドディレクター”Y”
大学卒業後、インテリアブランドを立ち上げる。20年にわたるブランド構築経験を活かした後、ブランドコンサルティングを開始。DRESS HERSELFでは、自身の実体験や同世代の悩みをすくい上げ、女性の生き方をベースに、コンセプトからシーズン毎の企画、方向性などを牽引。世界中で暮らし、旅した経験があり、ロックで自由でパワフル。