VOL.173 / 2025.12.23
2025年の総括に何を見る?
ブランドディレクターの生き方指南書
今年も、まもなく暮れようとしています。
私個人としては、10年に及んだ在宅での母の介護を終えて5年目。
1年前から仕事以外はすっかりぐうたらが板についてしまった生活に、自ら区切りをつけようと、ある女性コミュニティに身を置き、そこでのボランティア活動に勤しんだ一年でもありました。
そのコミュニティには、30代後半から60代後半まで、実にさまざまな環境で生きる女性たちが集っています。それぞれがそれぞれの場所で、懸命に輝こうとしている、そんな姿に何度も心を打たれ、励まされ続けた一年だったように思います。
さて、恒例のこの話題!
「年末年始、何を見る?」
前回、ゴールデンウィークにおすすめのドラマをご紹介して好評をいただいたので、今回もおすすめ作品をご紹介します。
『愛の不時着』を12回観た私が選ぶ、今年のベスト3は?
実は今回ウルトラお勧めしたいのは、Netflixでも、U-NEXTでも、Amazon Primeでもありません。
「アジアンドキュメンタリーズ」。

アジアに特化した秀逸なドキュメンタリーを揃えた、有料動画配信サービスで、半年間見放題・7,700円。ドキュメンタリーゆえ構成は決して派手ではありませんが、観終えた後、少なくとも三日間は思考が止まらない。そんな”問題作”ばかりが並びます。
たとえば、
・イランにおける夫婦の在り方の実態
・トルコで、命を懸けて成立する離婚制度
・台湾有事に備える台湾人のアイデンティティ
・イスラエル政府のやり方に、個人の良心が耐えられなかった一人のユダヤ人の死
・韓国で生きることの厳しさを告発する、ある少女の声
どれもが、個人の生き様に深く、鋭く切り込んでくる秀逸な作品です。
「私たちには、知る義務がある」
そう訴えかけてくる企画側の強い意志を真摯に受け止めながら、
この年末年始、ぜひ皆さんも、世界の現実と向き合ってみてはいかがでしょうか。
そして、出来事の総括として、NetflixやAmazonプライムから二作品だけご紹介を。

その1:『フロントライン』
(Amazon Prime Videoで配信中です)
日本で初めて新型コロナの現実を突きつけられた、ダイヤモンド・プリンセス号での出来事を描いたドラマです。
当時、話題になった感染症専門家たちの苦言や提言は、なぜ評価されなかったのか。
その理由が、初めて腑に落ちました。
有事の際、人は何を優先すべきなのか。正しい・正しくないという次元を超えて、深く考えさせられる作品です。

その2:『THE DAYS』
(Amazon Prime Videoや、Netflixで配信中です)
3.11、放射能汚染の恐怖に晒されていた人々——私たち。
人は、自分が安全な場所にいないとき、どんな”鬼”になり得るのか。そして、安全な場所にいる人間が、いかに無自覚に他者を批判できてしまうのか。
物語の終盤で告発される、恐るべき事実。このドラマを観終えたとき、安易にAIに頼る日常を受け入れている自分自身の姿を、戦慄とともに見つめ直すことになるはずです。
たまには、こうした硬派なドキュメンタリーやドラマに触れながら、この困難で曲がりくねった時代を、どう生き抜いていくべきか、静かに考えてみませんか。
もちろん、炬燵の上にはビタミンたっぷりのミカンを。
おうち服は、冬の一択。ウォームシルクの上下に身を包んで。
それでは皆さま、どうぞ良いお年をお迎えください。
ブランドディレクター”Y”
大学卒業後、インテリアブランドを立ち上げる。20年にわたるブランド構築経験を活かした後、ブランドコンサルティングを開始。DRESS HERSELFでは、自身の実体験や同世代の悩みをすくい上げ、女性の生き方をベースに、コンセプトからシーズン毎の企画、方向性などを牽引。世界中で暮らし、旅した経験があり、ロックで自由でパワフル。




