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VOL.101 / 2022.06.30

温泉大国日本の隠れたシルク話

ブランドディレクターの生き方指南書

コロナの規制も解けて自由に旅ができる3年ぶりのGWでしたが皆様はどこかに行かれたでしょうか?
外国人の入国規制も少し緩くなり、もうすぐGO TOトラベル(名称は変わるらしいですが)が始まり、やっと大手を振って旅が出来そうで、久しぶりにワクワクしています。

唐突ですが、長野県の蓼科・諏訪地方に三つの素敵なホテルがあります。

△こちらは「蓼科 親湯温泉」の目玉、3万冊の蔵書を誇るLibrary Lounge

〈1〉 蓼科 親湯温泉
〈2〉 上諏訪温泉 しんゆ(親湯)
〈3〉 萃sui-諏訪湖

こちらのオーナーとドレスハーセルフの母体・山忠の社長は友人同士なんですが、特別のリクエストがあり、ドレスハーセルフの商品を売店にいくつか置かせてもらっています。

理由の1つ目として、
蓼科親湯温泉は標高1300mあたりに位置し、夏でも平均気温が25度位で空気が乾燥しているので最高の避暑地なのですが、朝晩は涼しいを通り越してそこそこ肌寒いんです。そんな場所なので、せっかく温泉で温まっても油断すると湯冷めしかねません。そんな時にドレスハーセルフの温め商品を(カシミアのストールやアンクルウォーマー)必要としていただくので。

理由の2つ目が、
上諏訪温泉一帯は、実は日本のシルクの一大産業地だったので、そのことに敬意を表して。

正確に言うと、隣町の岡谷というところにシルク王の片倉一族がシルクの製糸工場を所有していて、お蚕産業が盛んだった長野県の中でも際立って諏訪一帯はお蚕農家がたくさんいたそうです。あの世界遺産に登録された富岡製糸工場もこの片倉一族が所有していたものです。

今の日本では、生糸は高級着物のためにごくごくわずかに生産されるに過ぎなくなりました。
そんな中、上諏訪温泉の役割とは何だったのか?

これが大変興味深いのですが、片倉一族の2代目社長が海外に視察に行った際に、工場労働者のための教育、保健衛生、福利厚生が充実していることに衝撃を受け、日本に戻った時に一大温泉地であった上諏訪に女工さんのためのお風呂を作ります。
【国指定重要文化財】財団法人片倉館。これが千人の女工さんが一度に立って入ったと言われる(実際は千人は一度には無理かと)千人風呂です。

「ああ野麦峠」に代表されるように女工さんは劣悪な状況下で酷使された時もあったのですが、時代が移るとこのような保養施設も作られたんですね。知りませんでした。

千人風呂の向かい側には、当時製糸を買い付けに来ていた外国人のための迎賓館などもあり、遠くから買いに来てくれた異国人を温泉でもてなしていたようです。

温泉大国ニッポン!
こんな逸話のある地方を旅して、シルクという素晴らしい素材に改めて思いを馳せるのも教養人としての一興ですね。


ブランドディレクター”Y”
大学卒業後、インテリアブランドを立ち上げる。20年にわたるブランド構築経験を活かした後、ブランドコンサルティングを開始。DRESS HERSELFでは、自身の実体験や同世代の悩みをすくい上げ、女性の生き方をベースに、コンセプトからシーズン毎の企画、方向性などを牽引。世界中で暮らし、旅した経験があり、ロックで自由でパワフル。

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