VOL.160 / 2025.05.19
アフリカで船旅なんて、素敵!
ブランドディレクターの生き方指南書

昨年10月、エジプトに行ってきました。そのときの旅の様子を、やっとご紹介できます。
というのも、現地で着ていたのが夏物ばかりで、冬に出すのもなんだかな~と感じていたので、この季節まで大切にあたためていたわけです。

暑すぎると本気で死ねるし、寒さはもっと苦手な私が選んだのは、ハイシーズン前の10月末。
昼間は45℃、朝晩は18℃ほどという、なかなか過酷な時期のエジプトです。観光大国だけあって、検索すれば山ほどツアー情報は出てきますよね。

そんな中、私がエジプトにどうしても行きたかった一番の理由は、アガサ・クリスティーの『ナイルに死す』の舞台となったナイルクルーズ船「スーダン号」に乗ること。
ちなみにこの映画、最近リメイクもされていて、「ナイル殺人事件」はDisney+で観られます。
が、リメイク版は今回の旅の参考にはなりません。
なぜなら、昔の映画は本物のスーダン号を使い、撮影も本当にエジプトで行われ、登場するスタッフたちも全員リアルな乗員だったそう。一方で新しい方はドバイで撮られた“偽物”。船もセットで作られた「ウソ物」です(笑)。

私たちのクルーズ中には、その昔の映画の試写会が船内で開催され、マネージャーがカクテルを振る舞いながら当時の撮影裏話を聞かせてくれる時間もありました。写真はこの船のマネージャーとスタッフの皆さん。

乗客の多くはフランス人の富裕層。ディナータイムには皆しっかり着替えて、エレガントに食事を楽しみます。
このスーダン号、なんと今でも現役の蒸気船。(インスタはコチラ)

ルートはアスワンからルクソール、または逆方向。エンジンで走る普通のクルーズ船なら3日で終わるルートですが、スーダン号はたっぷり5日かけて、ナイル川沿いの街々をゆっくり巡ります。

内装はマホガニーの家具にアイアンベッド。ドアの隙間もご愛嬌、まさに「川を走るアンティーク」。少し傾いたバスタブにも風情があって、むしろ魅力的です。

日中は45℃にもなるので、午前中に観光を済ませ、午後は3階のデッキでお酒を楽しみながら、ゆったり進む船の時間を堪能。料理は毎日おいしく、スタッフは皆エンターテイナーで、5日間飽きることなく楽しめました。

エジプトというとピラミッドを連想しがちですが、私はむしろルクソールやアスワンの古代神殿や壁画に心奪われました。6000年前にこんな文化が存在していたなんて…栄枯盛衰という言葉が自然と頭をよぎります。

なお、クルーズ前後に泊まったホテル、「オールドカタラクトホテル」もまた格別。
アガサ・クリスティーが実際に滞在していた由緒あるクラシックホテルで、「名探偵ポワロ」の世界観を全身で味わえる、満足度の高い滞在でした。

この世の楽園、オールドカタラクトホテルから撮影したナイル川です。
このクルーズを取り扱っているのは、イギリスの「Original Travel(Egypt Holidays 2025 / 2026)」。
日本からは代理店を通すことができず、すべて英語での個人手配が必要です。料金も安くはなく、ハードルも高め。ただ、その分面倒見がよく、こちらが過剰に頼まなくても色々と手配してくれます。
このスーダン号、フランス人には大人気で、予約は1年前から徐々に埋まり始めます。私が行った時も8か月前にはすでに満室でした。

この動力で走るスーダン号、大型のプールも付いているような3日間の行程のナイル川クルーズの10倍位の値段します!乗っているのはフランス人を中心にほぼ欧州のリッチ層。そんな中でドレスハーセルフの服は少しも引けをとることなく、私のエセリッチを見事にカバーしてくれる品格が有りました。
これってスゴイ(笑)
もしアガサ・クリスティーの世界がお好きなら、一生に一度の旅として、彼女が過ごしたホテルとスーダン号を巡る旅を、心からおすすめします。
【今回のワードローブ】
ブランドディレクター”Y”
大学卒業後、インテリアブランドを立ち上げる。20年にわたるブランド構築経験を活かした後、ブランドコンサルティングを開始。DRESS HERSELFでは、自身の実体験や同世代の悩みをすくい上げ、女性の生き方をベースに、コンセプトからシーズン毎の企画、方向性などを牽引。世界中で暮らし、旅した経験があり、ロックで自由でパワフル。