ねぎらいのスプーン
健やかで美しい皮膚を保つためのスキンケアやライフスタイルを提案するブランド、『OSAJI(オサジ)』ブランドディレクターの茂田正和さんに、体の内側から肌や心をいたわるレシピを教えていただく連載の二回目。
夏から秋へと向かう端境期を健やかに乗りきる「ねぎらい」のひと皿をご紹介します。
移ろう季節を、健やかに、やわらかく乗り越えるヒントになりますように。
「幸せ」とは、なにげないところにあるのかもしれない。
ゆっくりお⾵呂に⼊ったり、太陽の⾹りがする布団に横たわったり、
⼤切な⼈とのたわいもない会話や、部屋着の優しい肌触り。
暖かく滋味深いスープを飲む時も、そうなのかも知れない。
仕事のために、家族のために、はたまた美容のために、
やらなきゃいけないこと、やってはいけないことがたくさん。
我慢しながら頑張ってる。
昨⽇も、今⽇も、明⽇も。
束の間のひとときに、スプーンですくって⼝にはこぶ。
体を通って、胃腸に届くほっこりとした温もり。
素の私が、ふぅっとひと息つく。
「いつもありがとう、私」
vol.02/舞茸と牛すじのスープ

夏から秋への端境期
まだ気温も湿度も高く、汗も相まって肌の乾燥などは感じないかもしれません。
しかしながら、肌の水分を保つスポンジのような組織は、強い紫外線によって酸化され、すかすかの状態になっている可能性があります。
こうなってしまうと、いくら外から化粧水などで水分補給をしても、まさに「立板に水」の状態になってしまい、肌には水分が定着しません。
その水分保持機能を補ってくれるのがアミノ酸。そして、これから旬を迎える木の子類はその宝庫です。アミノ酸をしっかりと摂って秋からの乾燥に備えてください。

今回のレシピに使う「舞茸」には、肌のハリやうるおいを保つために欠かせないアミノ酸が豊富に含まれています。また、抗酸化作用を持つ成分も含まれており、紫外線によるダメージや乾燥から肌を守る働きが期待できます。さらに、食物繊維が腸内環境を整えることで、内側からの美肌づくりにもつながります。
材料
・舞茸…100g
・牛すじ…100g
・生姜…10g
・ニンニク…1片
・長葱(青い部分)…1本分
・白醤油…大さじ1
・みりん…大さじ1
・塩…適量
・胡椒…小さじ1/2
・水…500cc
〈お好みで〉
・白米…75g
・押麦…75g
・水…250ml
・青唐辛子…1本
・醤油…大さじ1
作りかた

(1)鍋に水とひとくち大に切った牛すじを入れ、中火で沸騰させ、アクをひく。

(2)生姜、長葱の青い部分、潰したニンニクを加えて蓋をし、中火で10分煮込む。

(3)白醤油、みりん、胡椒、舞茸を加えてさらに10分煮込む。

(4)塩で味を整えて、器に盛る。

(5)お好みで醤油に輪切りの青唐辛子を漬けたもの加えて味変し、麦飯ご飯を入れて雑炊にして食べてもよし。
茂田正和
株式会社OSAJI 代表取締役 / OSAJIブランドディレクター
website /
Instagram
音楽業界での技術職を経て、2001年より化粧品開発者の道へ進み、皮膚科学研究者であった叔父に師事。
2004年より曽祖父が創業したメッキ加工メーカー日東電化工業の化粧品事業として多数の化粧品を開発、健やかで美しい肌を育むには五感からのアプローチが重要と実感。
2017年、スキンケアライフスタイルを提案するブランド『OSAJI(オサジ)』を創立しディレクターに就任。
2021年にOSAJIの新店舗としてホームフレグランス調香専門店「kako-家香–」(東京・蔵前)、2022年にはOSAJI、kako、レストラン 『enso』による複合ショップ(鎌倉・小町通り)をプロデュース。
2023年、日東電化工業の技術を活かした器ブランド『HEGE』を手がける。
著書『42歳になったらやめる美容、はじめる美容』(宝島社)。2024年2月9日『食べる美容』(主婦と生活社)出版。