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暮らしのヒントを大谷優依さんにうかがいました / vol.01

着るものだけではなく、暮らしにも心地良さをご提案していきたい。
私たちDRESS HERSELFが考える暮らしは、自分や家族に無理なく、自然体だけれど工夫が凝らされた居心地の良い空間。
そんな心地良さのヒントを伺うべく、インテリアスタイリストの大谷優依さんのご自宅を訪問し、たっぷりお話をうかがいました。

PROFILE
エディトリアルデザイナーを経て、24歳のときにインテリアスタイリストとして独立。女性誌やライフスタイル誌、広告を中心に、雑貨やインテリアのスタイリング、空間演出なども手がけている。大谷さんの日々の暮らしを綴ったInstagramも人気。
HP / INSTAGRAM

広告や雑誌などで活躍しているインテリアスタイリストの大谷優依さん。
そのセンスと審美眼に溢れたスタイリングにはファンも多く、自然体なライフスタイルも支持されています。大谷さんは、以前からドレスハーセルフを雑誌の特集などでご紹介してくださったり、実際にご愛用いただいていました。そんな大谷さん、ドレスハーセルフとはどう出会ったのでしょうか?

大谷さん:
「5年くらい前、雑誌で睡眠に関する企画があったんです。その時に編集さんが「良い枕カバーがあるよ」と教えてくださったのが出会いでした。気に入って自分用にナイトウェア用のワンピースも購入しました。編集さんの「シルクは寝ながら美容できるんだよ」という言葉が印象的で。実際に着てみて肌触りも最高だったので、他にもたくさん愛用しています」

妊娠中にもウォームシルクのパーカーやワイドチュニックをご愛用くださっていたそう。お腹が大きい時はずっと着ていましたという大谷さん。

大谷さん:
「サイズが大きいので授乳中も便利でしたね。夏はシルクリネンのカットソーを。授乳用の服ってあんまりなかったので、結局洋服のままでいいや、みたいな」

お子さんは3歳になる女の子。お子さんがいらっしゃると、シルクを着るのは難しいでしょうか。

大谷さん:
「洗濯が個別にできないので、頻繁には着られないのですが、でも旅行や仕事で泊まるときにはピローカバーを持って行きますね。ビジネスホテルが少し苦手で、極力快適に過ごすために、ピローカバーと愛用の香りモノは持って行きます」

小さいお子さんがいらっしゃると、お手入れが難しいというお声は、私たちにもよく届きます。でもシルクモダールを着ると子供が触ってくるというお声や、ピローカバーを子供に取られましたというお声もあったり。子供は大人よりも敏感なのかもしれません。

人の暮らしで自然発生したものに惹かれます

つぎは大谷さんに、インテリアスタイリストになるまでの経緯を話してもらいました。

大谷さん:
「商業店舗などの内装をやりたくて空間インテリアを学ぶ美大に入ったんですけど、人が暮らしている空間の方に興味が向いてしまって、生活や文化にまつわる仕事がしたいと思ったんです。美大だったので、就職するときにデザイナーとしてその世界に入った方がいいんじゃないかと考えて、エディトリアル(雑誌や書籍のデザイン)の会社に入りました。でもデザイナーって雑誌の内容にはあまり関わらないんですよね。編集者とスタイリストとカメラマンで雑誌の特集や記事を決めているんだということに気がついて。私は内容の方に関わりたかったので、インテリアスタイリストになろうかなと」

エディトリアルの会社自体は2年で退職し、24歳で独立した大谷さん。ずっと長く第一線で活躍されている大谷さんのスタイリングにはファンもたくさんいらっしゃいます。インスピレーションの源はどこから来るのでしょうか。

大谷さん:
「文化人類学が好きですね。デザイナーが作ったものじゃなくて、民族的だったり土着的だったり、人の暮らしで使っている道具など、自然発生したものが好きです。大学の卒業制作では、モロッコ、インド、フランスなど世界のいろんな民家をまわりました。家の作りも風土によって違うんです。その土地ごとに何を使って、どんなものを食べて、どんな食器を使うかが変わってくる。そういうのが好きで、派生してやっている感覚です」

大谷さんの自宅は、もともと外国人向けに建てられたお家をリノベーションしているそう。キッチンが広かったり、天井が高く窓が大きめだったり、光がふんだんに入ってとても居心地の良い空間に、選び抜かれた家具や小物が統一された印象で置かれています。一つ一つは興味深いのに、俯瞰で見ると主張が少ないように思います。

大谷さん:
「デザイナーや作家さんの器や雑貨もたくさん持っているんですが、こちらに語りかけてこないものが好きです。デザイナーさんは、新作を作る時にコンセプトとかカラーとか流行とかを気にされていたり、いろんな考えを持って作ると思うんですが、そうすると家に置いた時に語りかけてくる気がしてしまって。家に合っていればいいんですけど、例え作家さんが作ったものでも、あまり語りかけてこないものをセレクトしていますね。形がシンプルだったり、色があまりない方が、心が忙しくならないと思います」

リビングは来客も多いので最初から物を少なくしているとか。ほかに、リビング全体で気を付けてるポイントはファブリックにあるという大谷さん。

生地モノは奮発しても良いとおもいます

大谷さん:
「ソファーは少し奮発していいファブリックにしたんです。オフホワイトの色と生地感が好きで。あとはカーテン。あんまり気にしたことなかったんですけど、カーテンは本当にインテリアの要なんだなと思いました。面積が大きいので、やっぱりいい生地を使うことは大事なんです。ソファにしろカーテンにしろ、生地モノが良いと空間が良くなるので、そこは奮発しても良いと思います」

ドレスハーセルフでも、ワンピースやロングスカートなどの面積が大きいアイテムほど生地感は一目瞭然だと説明しています。やはり人の目を惹くという点ではインテリアも一緒。ただ、お子さんが小さいとオモチャなどが散らばったりも。そんな片付けにも大谷さんならではの工夫が。

大谷さん:
「オモチャや絵本を収納しているのは中身が透けて見えるラタンの棚。そこにカゴやボックスを並べて、ビーズやおはじきなどの細かいオモチャは、わーって入っています。ボックスの中はもうぐちゃぐちゃ。でもなんとなく分類で入れるだけという簡単な方法にしています。外だけ良ければかわいいと思って」

棚にはお菓子の箱や缶もかわいく積まれています。

大谷さん:
「クレヨンや小さい小物はお菓子の箱や缶に入れています。子供も「恐竜は青いお菓子の箱」って認識しているみたいです。出しにくいところに入れてしまうと忘れてしまうので、扉も自分で開けやすいようにしてあげると、一人で出して遊んでいますね」

お菓子の箱の収納アイデアは「真似したい!」とインタビュー中にも声が上がっていました。

涼やかな素材で季節感を

大谷家のリビングにはグリーンも豊富に飾られています。

大谷さん:
「梅雨から初夏の時期は、ゼラニウムなどのハーブを飾ることが多いですね。ゼラニウムは香りが強いのでキッチンに。ハーブの香りがすると心も癒されますよね。知り合いの庭からドクダミの花を摘んで飾ることもあります。虫よけにもなる植物は嬉しいですね。日常的には、クレマチスやオダマキなどの白系のさりげない可憐な花が好きです」

キャビネットの上にはアセビなどの大きい枝モノも。

大谷さん:
「アセビはすごく強くて、3ヶ月以上元気でいてくれる場合もあります。アセビやドウダンツツジは花屋によくあるので選ぶことが多いですね。本当は田舎で暮らしてみたいんです。家を植物で飾るのはそんな願望の現れかもしれません」

暮らしの中で季節感を取り込むのは意外に難しいもの。意識的に花屋をのぞいてその季節に見合った植物などを飾らないと、人は季節を感じにくいのかもしれません。特にこれから来る梅雨は雨が多く気分も落ち込みやすい。大谷さん、おうち時間を快適に過ごすアイディアなどはあるのでしょうか。

大谷さん:
「先ほどのハーブもそうですけど、素材で涼やかな印象を出しますね。ラグやクッションを季節で変えることってあまりないじゃないですか。なので、たとえばテーブルセット。うちでは白い食器を通年で使っていますが、コースターやランチョンマット、お皿のカバーを涼やかな夏らしい素材に変えるとか」

なるほど。確かに小物だったらすぐに取り入れやすいですね。
2回目は、ベッドルームの生活感を減らすアイディアなどをご紹介いたします。